工場管理 維新
戦後の焼け野原から復興を支えたのは、製造業です。家電や自動車で代表される日本製品は世界を席巻しました。世界一の強大国、米国さえも警戒した“ものづくり大国日本”。その姿は今いずこ。遠ざかる過去に小さく、その痕跡が残ってはいるが、、。
日本の衰退がはじまった1990年代初めから今日まで、様々な失地回復の努力がなされた。多くの人が、日本の停滞は“一過性”のこと、それまでと同じように2~3年もすれば、回復するだろう、と思っていたに違いない。
しかし、衰退は止まらず。“失われた”10年が20年に、そして30年が過ぎた。その間、様々な失地回復策がとられ、かすかな薄明りがみえるときもあったが潮流は変わらず。それどころか、じり貧状態が加速しているようにさえみえる。
第4次産業革命、IoT、DX・・・、デジタル化の波は怒涛の勢い。
ところが、デジタル化も中進国諸国の後塵を拝している始末。
このままいくと、じり貧状態どころか、日本の製造業は瀕死の痛手を受けるのではないか。
いや、待て。
デジタル技術こそが “ものづくり日本” に残された最後のチャンスなのかもしれない。
そう信じたい。
では、どうするか?
1,日本を世界の“ものづくり大国”に押し上げた原動力は何だったのか
2,その活力を削いだものは何だったのか
この2つを明らかにする必要がある。そして、
3,解決への方向性、具体的方策の提案
へとつなげていきたい。
キーワードを挙げておく。
これまで、“流れ”をサプライチェーンで代表されるように“鎖”で表現してきた。ここでは、
“つな(維)”
に置き換えて理解したい。「維」には次のような意味がある。
① つな ; 張りづな、おおづな
② 道徳の基礎となるもの
③ つなぐ
そして、工場管理の内外のつな(維)を新しく張り替える。
「維 (こ) れ新 (あらた) にする」
工場管理 維新
政治用語としてなじみの「維新」ではあるが、ここでは政治的な意味はない。工場管理の基礎となる“つな(維)”を新しいものに張り替えなければならないのだ、というほどの意味である。